
印鑑にはさまざまあり、その用途に応じていろいろな用途があります。たとえば宅配便の受け取りや契約書に押印するなど、使う機会が多いと思います。いずれも確認や承認の意志を示すために使用しますが、使う印鑑や使い方をしっておかないと不利益を被ることもあります。
そこで、個人や会社ではどのような印鑑を使うのかを紹介したと思います。
実印
実印とは、住民登録している役所や役場に印鑑登録を申請し受理された印鑑のことです。登録した時点で法的効力を持ちます。実印として登録できる印鑑はなんでもいいというわけではありません。実印の登録は、市町村によって定められた条例によってサイズや印鑑が変形しにくいものなどの条件があります。
市町村によってその条件は異なっているので、お住まいの地域の条例を確認することをおすすめします。実印は法律上、社会上の権利、義務の発生を伴うほど重要なものです。公正証書の作成、金銭や貸借証書、不動産取引、遺産相続、自動車登録などに使います。
実印は唯一性を守るために銀行印や認印などほかの印鑑との併用を避けてください。実印は苗字だけのもの印鑑でも登録は可能ですが、フルネームでの登録がよいといわれています。その理由として、詐欺や偽造防止のためです。
苗字だけでは似たような印影があるため、詐欺に使用される恐れがあります。また、苗字のみの印鑑だと家族のものと間違える恐れがあるからです。ただし女性の場合は名前のみで実印登録することをすすめます。未婚の女性の場合、結婚して苗字が変わる可能性があるためです。
登録を考えている人は一度、市町村へ事前に確認してくださいね。
銀行印

銀行印とは、金融機関での預貯金口座開設や金銭の出納の際に使用する印鑑で、定期預金や普通預金などに使用します。銀行印は実印と異なり法律上の規定はありません。銀行印と実印は用途の違いによって区別されているだけなので、実印を銀行印として使うことも、またその逆もできます。
しかし安全面を考慮すれば、実印と銀行印を併用することは避けましょう。偽造や紛失、盗難などのリスクを分散させるためです。また1本の印鑑で複数の口座を開設している人もいるかと思いますが、その印鑑を紛失してしまうと、すべての口座で改印の手続きをしなければいけなくなります。
そういったリスクを考えると、複数の印鑑を使い分けることが一番いい方法ですね。
認印
印鑑登録をしていない印鑑のことを認印といい、申込書や申請書、契約書などに使います。通常は銀行印と同様に、姓のみ彫刻し、押印用として使用します。認印として使うことができるのがシャチハタです。シャチハタというのは、朱肉を使わずに押すことができる「浸透印」のことをさします。
このシャチハタは、認印として使えない場合があります。シャチハタのインクが朱肉よりも消えやすいので長期間保存が必要な書類にはむかない、力加減によっては印影が変わってしまう、大量生産されているためなどの理由からです。
もともとシャチハタは、この浸透印を製造しているメーカーの名前です。朱肉の準備をする必要がないため便利な印鑑ではありますが、実印などの登録が必要な印鑑には使えないので注意してくださいね。
会社の実印・角印
会社の実印は“代表者印”とも言い、株式会社、有限会社、合資会社など新しく法人成りするときに法務局へ届け出て使用する会社の印鑑です。個人の実印と区別するため2重枠となっていて、円形の外周に会社名、内には株式会社や有限会社の場合「代表取締役印」、合資会社や個人商店の場合「代表者印」と入れます。
団体などの場合は、「会長之印」「委員長之印」をいれるなど多岐にわたります。会社の実印は登録法にその規定がないため何でもよいと思われがちですが、犯罪防止の点から役職名と会社名を彫刻したものを用いることが推奨されています。
また、法務局に登記できるサイズも30ミリ未満と決まっていますが、標準サイズは18ミリから21ミリとなっています。
一方、角印は会社名、商店など団体名称を示す印で、領収書や請求書、契約書などで最も多く捺印されます。
四角形の中に会社名、団体名、屋号などを彫刻します。サイズは一般的に21ミリと24ミリ角ですが、他にも15ミリ~30ミリまであります。
会社の銀行印

個人のときと同様に、会社が銀行で口座を開設するときにも代表者印のほかに金融機関への印鑑の届け出や登録が必要です。この登録した印鑑を「法人銀行印」または「銀行印」といいます。株式会社などが使用します。この銀行印は、2重枠で外側に会社名、内には「銀行之印」という文字が入ります。
銀行印は口座を開設した際に銀行に登録され、それ以降の使用でも照合が行われます。この印鑑が万が一変形してしますと、銀行印としての効力がなくなるので丈夫な素材で作ることになります。また、複製されることを防ぐためにも、難しい書体を使用します。
役職印
役職印とは、法人や団体などの役職などを表した印鑑です。2重枠にして、外周に会社名など、内には『代表取締役印』『支店長印』『部長之印』などの役職名を入れます。会社内部の決裁印などで使用されますが、対外的な書面での使用は会社を代表する押印となります。
職印
職印とは、公的な資格や肩書の入った個人名の印鑑です。その代表的な資格は、弁護士や行政書士、司法書士、一級建築士、税理士、公認会計士、社会保険労務士、不動産鑑定士などです。決済や押印に使用されます。丸印と角印の2つがあり、前者は契約書といった重要書類のために、後者は請求書や領収書といった日常業務で使用されています。
印鑑には、資格名と名称が記されていて、基本的には右から資格名、氏名、印で構成されています。
三文判
実印や銀行印が複製されては、悪用される可能性があります。そのため同じ印影にならないようにするためには、オーダーメイドで作ってもらうのが普通です。しかし、荷物の受け取りのための押印といった安価な印鑑で十分な場合があります。
三文判とは、お店で安価な既製品の印鑑をさします。ちなみに三文とは、安物を意味しています。大量生産されているため、安価で簡単に手に入れられるものですが、安全の面から実印や銀行印にすることは推奨されていません。
使用する場合は、認印程度にしておきましょう。
参考:印鑑ネット印鑑・実印の通販 - 印鑑ダイレクト【公式サイト】